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Kaggle
カテゴリ変数の変換

3.5 カテゴリ変数の変換

※本エントリは、2024 年 7 月に開催された、Kaggle で勝つデータ分析の技術1 の輪講の補足資料として作成されました。書誌からの引用は主従関係が明確になるよう細心の注意を払っておりますが、 万一引用の方法が不適切である場合や、引用の必要性を逸脱していると思われる場合には、お手数ですが Contact Page までご連絡をお願い申し上げます。

「カテゴリ変数のカテゴリのことを水準と言います」 (位置 No. 2748)

3.5.1 one-hot encoding

各カテゴリ変数に対して、その水準の数だけ新しい列を生成する。pd.get_dummies() 関数は、水準名に対応した新しい列名を持つデータフレームを生成する。

>>> import pandas as pd
>>> df = pd.DataFrame({"x1": [1, 2, 3], "x2": ['a', 'b', 'a']})
>>> df
   x1 x2
0   1  a
1   2  b
2   3  a
>>> pd.get_dummies(df)
   x1   x2_a   x2_b
0   1   True  False
1   2  False   True
2   3   True  False
>>> pd.get_dummies(df, columns=['x1', 'x2'])
    x1_1   x1_2   x1_3   x2_a   x2_b
0   True  False  False   True  False
1  False   True  False  False   True
2  False  False   True   True  False

水準数が多いとデータが疎 (一部が 1 の箇所を除き、ほとんどが 0 であるような状態) になってしまいメモリに負荷がかかるが、sklearn.preprocessing.OneHotEncoder にて疎行列表現で省メモリにデータを保持することができる。(pd.get_dummies() のように元の水準の情報は保持されないことに注意)

>>> from sklearn.preprocessing import OneHotEncoder
>>> encoder = OneHotEncoder()
>>> df_processed = encoder.fit_transform(df)
>>> print(df_processed)
  (0, 0)        1.0
  (0, 3)        1.0
  (1, 1)        1.0
  (1, 4)        1.0
  (2, 2)        1.0
  (2, 3)        1.0

3.5.2 label encoding

文字列の水準を数値に置き換えるだけなので変換することに本質的な意味はないが、例えば決定木モデルでは、分岐を繰り返すことで予測に利用できる場合がある。(文字列のままだと直接比較ができないというモデル側の都合のため?)

Decision Tree with label encoding

>>> x = ['A1', 'A2', 'A3', 'B1', 'B2', 'A1', 'A2', 'A1']
>>> compressed = {e: i for i, e in enumerate(sorted(set(x)))}
>>> compressed
{'A1': 0, 'A2': 1, 'A3': 2, 'B1': 3, 'B2': 4}
>>> x_processed = [compressed[e] for e in x]
>>> x_processed
[0, 1, 2, 3, 4, 0, 1, 0]

3.5.3 feature hashing

one-hot encoding (3.5.1) の問題を解消するために、変換後の特徴量の数に制限を与える手法。異なる水準を持つデータであっても、変換後は同じ特徴量を持つ場合があり得る。

>>> N_FEATURES = 4
>>> x = ['a', 'b', 'c', 'd', 'e', 'f']
>>> x_processed = [hash(e) % N_FEATURES for e in x]
>>> x_processed
[2, 0, 1, 3, 0, 2]

「水準数が多くても label encoding で変換したあとに GBDT で学習することである程度対応できるためか、あまり使われることはありません」 (p.141)

3.5.4 frequency encoding

各水準の出現回数もしくは出現頻度でカテゴリ変数を置き換える手法。

>>> import collections
>>> x = ['A1', 'A2', 'A3', 'B1', 'B2', 'A1', 'A2', 'A1']
>>> counter = collections.Counter(x)
>>> [counter[e] for e in x]
[3, 2, 1, 1, 1, 3, 2, 3]
>>> [counter[e] / len(x) for e in x]
[0.375, 0.25, 0.125, 0.125, 0.125, 0.375, 0.25, 0.375]

「各水準の出現頻度と目的変数の間に関連性がある場合には効果がある」 (p.142)

  • 例えば AtCoder のレーティングと色には関係がありそう (出現頻度が低いほどレーティング値は高くなる) Rating histogram of AtCoder user

3.5.5 target encoding

目的変数を用いてカテゴリ変数を数値に変換する手法。

>>> import collections
>>> x = ['A1', 'A2', 'A3', 'B1', 'B2', 'A1', 'A2', 'A1']
>>> y = [1, 0, 0, 1, 0, 1, 1, 0]
>>> counter = collections.Counter(x)
>>> subtotals = collections.defaultdict()
>>> for k, v in zip(x, y):
...     subtotals[k] += v
...
>>> x_processed = [subtotals[e] / counter[e] for e in x]
>>> x_processed
[0.66, 0.5, 0, 1, 0, 0.66, 0.5, 0.66]

上のように単純に全訓練データから平均を取ると、特に水準数が少ないようなデータに対しては容易に過学習し得るので注意する。 (実際に A3, B1, B2 に関しては目的変数を見ているのと変わりない)

target encoding の手法・実装

訓練データに対しては、K-fold を行い、ある fold に含まれるデータのカテゴリ変数が、他の残り全てのデータの目的変数を利用するようにして変換される。テストデータに対しては、訓練データ全体が利用される。(K の値は 4~10 がいいとのこと) 特に交差検証を行う場合、検証用の Fold が変わるたびに変換を掛け直す必要があることに注意する。(検証データの目的変数が漏れるため)

安易に平均を取るよりも、データによっては中央値をとった方が良い場合があり、多クラス分類の場合はクラスの数だけ特徴量を作るという方法がある。

(補足) hold-out 法と交差検証法

  • hold-out 法
    • 訓練データの一部をモデルの検証用として切り離し、残りのデータで学習を行うような方法
  • 交差検証法
    • 検証用データが訓練に利用できない (基本的に hold-out 法では検証は 1 度しか行われない) という hold-out 法の問題から、訓練データを K 個の Fold と呼ばれるサブデータに分割し、1 つの Fold を検証データに、残りを訓練データとして学習を行うことを繰り返す方法

3.5.6 embedding

離散表現を意味や性質が表現された実数ベクトルに変換する手法。

事前学習済みモデルを利用する場合や、NN などでは embedding layer という単語やカテゴリ変数を学習する層があるとのこと。

3.5.7 順序変数の扱い

値の順序に意味がある変数 (ランキング、成績評価等) は数値変数としてもカテゴリ変数としても扱うことができる。

3.5.8 カテゴリ変数の値の意味を抽出する

変数の実際の値にも着目する。

Footnotes

  1. 門脇大輔, 阪田隆司, 保坂桂佑, 平松雄司. Kaggle で勝つデータ分析の技術. 東京, 技術評論社, 2019, ISBN9784297108434.